Whale System MS-V リリース
ーーー良いマシンができました。
”MS5”を”MS-V"へ改名し、コードネーム付きでリリースします。
Whale System MS-V ▶ Silent Ocean
ホエイルシステム エムエスファイブ (コードネーム:サイレント オーシャン)
辿り着いたのは、前人未到が故に静寂な海
『広大な可能性』の海に到達した、史上唯一のホエイルシステム
概要
MS-Vは新しくフルモデルチェンジしました。
より”高速”に、より”鋭く形態変化”しセクションを攻略するスタイルに進化しました。
”攻め”の安定性が向上しました
新機構C-AT、アンダーフックによってコース内へ留まる力が最大化され、レーサーの”攻め”戦略をサポートします。
小径タイヤを搭載することで重心を低く保ち、立体セクションをクリアしやすくなりました。
加速力が向上しました
簡単に作れる高精度フローティングギアと強固なギアボックスは駆動力を確実に伝え、パワーソースを最大限に活かすことができます。
全体的に軽くなりました。基本重量は103g程度で、これはMS3.xの基本重量より軽いです。
堅牢なブレーキ基部
金属ナットで固定されたブレーキ基部はブレーキプレートを強力に固定でき、確実にブレーキをかけることができます。
”ホエイル”初のコースアウト対策セット
後述のC-ATによる壁面回避、アンダーフックによるコースアウト防止機能、C-ATとMSフレキの可動領域とフロント提灯という、重要なコースアウト対策セットがMS-Vで完成しました。
SPEC(マシン構成)
全体
- 全幅 105mm
- 全長 151mm
- 全高 25mm ※ボディ・ローラー除く
- 最低地上高 1.5mm
- タイヤ径 23mm
- タイヤ幅 8-9mm
- 重量 103g
- ローラー幅 フロント 102mm/リア 105mm
- ギア ハイスピードEXギヤ(3.7:1)
構成
フロント
- フロントC-ATバンパー
- フロントC-AT用 MSフレキ アウターユニット
- 段付きタイヤ(23mm径3mm強幅、22.5mm径5mm強幅)
- ローハイトカーボンホイール
リア
- リアC-ATバンパー
- リアC-AT用 MSフレキ アウターユニット
- 段付きタイヤ(23mm径5mm強幅、22.5mm径3mm強幅)
- ローハイトカーボンホイール
センターシャーシ
- 旧センターシャーシ(モーター位置補正あり)
- スイッチ一体型モーターマウント
ギアまわり
- EXカウンター・簡易フローティングギア(前後)
- カーボンFRP補強ギアボックス
オプションパーツ
TOPIC(注目の機能・パーツ)
新機構「C-AT※」 ATバンパー・アンカーの限界を超える一体型バンパー
乗り上げた壁を「回避」する、新しいスタイルのバンパーです。
コースへの乗り上げに反応し、バンパーを畳み込むことで、瞬時にコース内の安全域へマシンを留まらせることができます。
今までATバンパーやアンカーの特徴だった、バンパーを傾斜してマシンをコース内に滑り込ませるスタイルから進化し、
バンパーを畳み込み乗り上げた壁を瞬時に回避することで時間を要せずコース内へマシンを進入させることできます。
これによりATバンパーやアンカーの限界より高い速度域で勝負することができるようになりました。
ATバンパーではジャンプからの着地でコース内へ滑り込むための安全域は30cm〜50cmでしたが、C-ATでは10cm〜20cmとなり、より高い速度域で勝負することができます。
※(Convolutional - Auto Track Bumper : 畳み込みATバンパー)
新機能「アンダーフック」 コースアウト対策の”最後の砦”
勝ち上がり時や”攻め戦略”で防ぎたい「1ミス」を帳消しにする、新機能パーツ「アンダーフック」です。
スロープからのウェーブ、ドラゴンバックからのコーナーなどのタイトなセクション順番では、乗り上げた”1ミス”で勝敗が決してしまいます。
この”1ミス”をなんとか堪えコース内に留まることで、勝負を続行することが「アンダーフック」の役割です。
シャーシ下の極端にスラストがかかった回転するゴムリングは、乗り上げて傾いた車体から壁への支えとなり、コースアウトを防止します。
※速度や状況によりますが、30%〜50%ほどの確率で乗り上げた車体を押し留め、再スタートを切ることができます。
より力強い駆動を。低遅延駆動セッティング
センターシャーシに施されたナットのギア当て、シャフトに接着固定されたスパーギア、
取り替え容易な簡易フローティングギア、カーボンFRPで固定された強固なギアボックス。
これらは遊びが小さく、トラクションがかかった時に遅延が少なく
モーターの出力を余すことなく地面に伝え、力強い加速ができる上級パーツです。
ホエイルシステム史上最も「低重心・低全高・軽量」
ボディ・ローラー除き、全高25mm。
フロント提灯さえもタイヤの高さより低く、タイヤ径以下の高さにほとんどのパーツが収まるコンパクト設計です。
また、基本構成103gはホエイルシステム史上最軽量でMS3.xの105gより軽くなりました。
地上高を高く確保。芝セクションでも減速しにくいフラット底面と内蔵スイッチ
最低地上高のギアボックス部とタイヤを除き、全てのパーツが地上高2mm以上。
スイッチを内蔵化したセンターシャーシはフラットな底面のため、芝セクションでも減速しにくくなっています。
多彩なブレーキを取付け可能。頑丈で汎用的なブレーキ基部
六角マウントを埋め込んだフロントブレーキ基部と、巧みに固定されたリアブレーキ基部はビスで強く固定され、
狙い通りにブレーキプレートをしっかり保持できます。
アイアンテールがオプションパーツになり、車重が軽くなりました
長らくホエイルシステムの象徴的パーツだった「アイアンテール」がオプションパーツになりました。
代わりにリアC-ATによる床面への衝撃逃しが基本となりました。
コースレイアウトや着地の素材によっては跳ねやすい場合がありますので、その時のためのオプションパーツでアイアンテールを活用ください。
アイアンテールが基本構成から外れたことで、重心が若干前方になり車重が軽くなりました。
作り方とパーツリスト
<<今後、リリースバージョンの写真を公開予定です。>>
リリースバージョンのパーツリストを公開中です。
<<試作機バージョンはこちら>>
試作機段階のパーツリストと写真を公開中です。
各製作図/画像
各パーツが作りやすいようシール印刷して作れる製作図を公開しました。
ハガキサイズで作成してありますので、サイズを合わせてご製作ください
※これらの画像は、個人利用かつ利益を生み出すことを意図していない範疇でご利用ください
データシート兼ステッカー
モーター上面に貼ってモーター情報を記載することができる
モーター用データシート兼ステッカーを作成しました。
項目の書き方
__.__A = 消費電流(無負荷時)例:0.8A
12345 TQ. = トルクの強さレベル(数字に○や赤ペンでなぞる)例:12345 TQ.
↓の20mm x 20mmのシールに印刷し利用できます
※これらの画像は、個人利用かつ利益を生み出すことを意図していない範疇でご利用ください
課題
工数・難易度について
MS−Vは高い精度を要求される加工が2箇所あります。(フロントC-ATの各パーツの形状)
またMS3.xよりも工数がかかりますということと、それだけ難易度は高めになっています。
作成される場合は、慎重に作成されることをオススメいたします。
現在判明している課題について
フロント提灯のゴムリングが規定の位置から外れる場合があります
とても強い衝撃を受けたり、フロント提灯ゴムリング押さえが破損することで、
フロント提灯下部でゴムリングがずれ、リフターの役目を果たせなくなる場合があります。
アンダーフックの耐久性が弱い場合があります
アンダーフックが作り方によっては繊維が脆くなり、数回のコース内へ押し留めたあとに破損する可能性があります。
アンダーフックのスラスト角をつける場合は、ゆっくり繊維をほぐさないよう固定し、瞬間接着剤など浸透固定してください。
ギアの寿命が短くなりやすいです
遊びが少ない低遅延駆動セッティングは、加速が強力な一方で、ギアに負担がとてもかかるセッティングです。
タイヤの摩擦力や仕様状況によってはギアが摩耗や変形によって数時間〜1日単位で交換が必要な場合があります。
ストックを多く持つか、摩擦の少ないタイヤに切り替えるかをおすすめします。
後記
これからホエイルシステムを作る人へ
ホエイルシステムに興味を持っていただいてありがとうございます。大変感謝しております。
恐らく、これを読んでくれているということは、MS−Vにご興味がある方だと思いますので、少しだけオススメ(!)させていただきたく思います。
ーー初めてのホエイルシステムはMS3.xがオススメ!
最近はMS3.xの前後ATバンパーを搭載したマシンや、リアにアンカーをつけたMS4.0との混合パターンをよく見かけるようになりました。
私おじゃぷろはホエイルシステム1x系から現在のMS−Vまで開発を続けて参りましたが、その歴史の中で最も工数と実績のバランスが良いのは実はMS3.xです。
MS3.xは多数のレーサーが使用していること、情報が多いことで問題が解消しやすく、理解も早いと思います。
まずはホエイルシステムの基礎であるMS3.xを作ってみてはいかがでしょうか
(もうMS3.xをお作りになって運用されてましたらスミマセン・・・!)
その上で、MS3.xが抱える限界と課題を解消すべくMS−Vの作成を検討する流れはとても自然なように僕は思います
ーーMS-Vはこれから熟成されるマシン
MS−VはMS3.xの課題を別の角度から解消し、正当進化したマシンです。
そして開発したてですからMSフレキやATバンパーやアンカーのように技術が熟成されるまで時間がかかります。
もしMS−Vを作成し運用していただけるのなら、その結果とともに”技術”も周りの方と共有し熟成されれば、私はとても嬉しく思います。
ホエイルシステムの可能性とおじゃぷろの今後について
今思えば、MS4.0のリリース後しばらくしてMS−Vの開発に取り掛かり、約3年を開発に要しました。
再構築に再構築を重ね、自分でもびっくりするほど向き合ったマシンでもあります。
そして「多層化ジェルボール」の概念のもと、重要な要素が揃った初めてのマシンでもあります。
マシンを領域分けし、壁に乗り上げたら形態(状態)を変化させ、危険性がなくなった段階で状態を戻す。ということが有効だとすれば。
これは領域と状態を定めて挙動させるということが、さらに進歩したミニ四駆ができるということを示唆しているのではと。
私はMS-Vを開発しながらそんなことを心に秘めていました。
Silent Oceanというコードネームにはそんな世界観が込められています。
一人になるまで突き進んだ先は静寂で、たくさんの可能性がある自由な海が見えたと。
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辿り着いたのは、前人未到が故に静寂な海。
『広大な可能性』の海に到達した、史上唯一のホエイルシステム。
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ーーーものすごく中二感ありますね・・・w
でもいいじゃないですか、やりきった後ぐらい(笑)
さて、今後のホエイルシステムですが、しばらく開発を凍結したいと思います。
なぜなら未知の領域を開拓した疲労感が大きいのと、私自身が開発のためあんまり遊んでないからです(笑)
VZシャーシのポテンシャルも気になりますし。。。
ということで、これからは運用しながら遊びたいと思います。現在はコロナ禍のためレースは控えめですが、
またコロナ禍が落ち着いた頃にはたくさんレースに参加し楽しみたいと思います。
さいごに、MS-Vの開発に協力してくれましたフォースラボの皆様。作っては実験と検証を長らくさせていただいてました新橋タミヤプラモデルファクトリー様、神出鬼没にいろいろなところで走行練習させていただきましたコジマビックカメラ様、ヨドバシカメラ様、ありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。
それでは、長文でしたが
Whale System MS-V ▶ Silent Ocean
リリースでした。ではまた、どこかでお会いしましょう〜!