おじゃぷろの"とりま"

おじゃぷろがミニ四駆や趣味について”とり”あえず、”ま”とめておくブログ

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モーター出力向上技術と”お心置き”について

【補足】

この記事、わかりにくいとの声があったので補足します。

 

目的は「近年の著しい高速化とその危険に対する、レーサー全体学習による危険性の低減」です。

手段は高出力モーターの早期学習、現在のモーターを取り巻く状況の整理です。

 

■何を学習するか

 

高出力モーターの走行イメージを確立し、周りをよく見えるようにすることです。

例えば30000rpm、35000rpm、37000rpmぐらいの出力では

それぞれどれぐらいの速度で走るか、どれぐらい飛ぶか、どれぐらいコースアウトするか、コースアウトした時にどうなるか、

コースアウトしたあとに事故は起きないだろうかと視野を広げること。

そうしたことを身に着けることで、適切な速度域を選択でき、会場にあわせた走行ができることです。

 

当たりモーターを使用した時に、その速度に魅了されやすいのはわかります。満タン電池でぶっ放せば快感です。

ですからそのことに集中してしまう前に、冷静に視野を広げ、会場に合わせた走行の感覚を学習することが重要だと思うわけです。

 

具体的な方法と意識するべきことは記事中に記載しています。



■モーターを取り巻く状況の整理

 

求める出力を補うため、各種ケミカルやモーター慣らし、水面下での高出力化技術(進角調整)などを試し迷走する人たちがいます。

また、せっかく得た当たりモーターも消耗品のため、旬を過ぎれば出力が落ちていきます。

 

例えば、大会では大会で使える当たりモーター。それ以外で研究したり遊ぶ場合は当たりモーターと同等の高出力化モーターと分け、高出力化の方法が公開されている環境であれば、迷走の選択肢も少なくなります。

副次的効果もあります。当たりモーターの消耗が減り、長期保存にもつながります。

当たりモーターの貴重さと、シミュレーションをする容易さのバランスを取り、資産を投入できるほうが効率的です。(※下の図を参照ください)



■なぜ学習が必要なのか

背景には著しいミニ四駆の高速化があります。

普段遊んでいる速度も高速化してきています。タイムアタックは象徴かもしれません。

そして同時に、危険度も増してきています。

高速化していますから、コースアウトした時にそれだけ強く人に当たる可能性があり、ガラスに当たれば割れてしまうかもしれません。

 

ミニ四駆は人の手を離れたら走るだけですが、できるだけその前に避けることが重要です。

だからこそ、そのレーサーへの学習とすでに学習した人々の協力によって、高速化したミニ四駆でも安全に楽しめるようになりたいです。



余談ですが、その意味でちょうどB-MAX GPが"安定性の限界"が"速度の制限"となっている良い例だと思っています。

 

 

 

 

おじゃぷろです。

 

前回、「モータの出力が時代に追いついていないので、まともにモーターガチャやるの辛くないですか?モーターを速くする技術を一般的にした方が良くないですか?」という話をしました。

ojapro.hatenablog.com

 

 

今回は、具体的なモーター出力向上技術について、僕が開発した範囲で具体的にお伝えしようと思います。

 

で、その情報を知る前に下記の注意書き必ずお読み下さい

注意書き

この情報を知ると共に、2つのことについて必ずお心置きください。

  1. 遊ぶ時は、電圧の低い電池から速度を確かめながらマシンを調整しましょう。

  2. コース周辺を見て、安全か確認して走らせましょう。

  3. ミニ四駆公認競技会規則に則った厳密な車検を受けた際、車検に落ちる可能性があります。

 

遊ぶ時は、電圧の低い電池から速度を確かめながらマシンを調整しましょう。

具体的には、2本2.5~2.6V程度の電圧の低い電池から速度を確かめながらマシンを調整しましょう。

下記にある技術は、普通のモーターを平均的に”当たりモーター”相当の出力まで引き上げる技術です。

”当たりモーター”相当の高出力モーターの扱いに慣れていなかったり、走行イメージが明確でない段階では、必ずこのことを守りましょう。また通常に”当たりモーター”を得た時も同様にこのことを守ることが重要です。

例えば、マッハダッシュモーターPRO 3Vで37000rpm、2.8Vで34000rpmぐらい回る高出力なモーターは2.5Vで30500rpm前後の平均出力ほどにまで落ち、そこから積み上げることができます。

 

 

コース周辺を見て、安全か確認して走らせましょう。

立体コースにはコースアウトポイントがあります。

自分のマシンが飛んだ時、コースアウトするかもしれません。

もしコースアウトした先で、そのまま人に接触しそうだったりフロアに飛び出しそうでしたら、先んじて周知したり壁を作るなどして避けられるよう手配します。

またコース内にも人がいて接触しないか配慮します。

具体的には

  • コースアウト先で人と接触しそうな時、一緒に走らせる人を含めて走行を制止する。
  • コースアウト先にフロアがあったら、ミニ四駆コースの箱などでブロックを作る
  • コース内で覗き込んでいる人がいたら、注意して安全を確保する。
  • コース内で覗き込んでいる人がよくいる場合は、覗き込めないようにミニ四駆コースの箱などでブロックを作る。
  • コース内のマシンを取るために入り込んでいる人がいたら、コースを跨がないことを確認できるまで走行を待ったり確認する。

こういったことが重要です。

 

 

ミニ四駆公認競技会規則に則った厳密な車検を受けた際、車検に落ちる可能性があります。

現在主流なマシンの基準にミニ四駆公認競技会規則があり、モーター改造については下記のルールがあります。

3. 分解して巻線の数を変えるなど、モーターの不正改造は認められません。
4. モーターのツメにカップを外した跡が見られた場合は、不正改造と見なされます。

明示的な不正改造の基準は”モーターのツメにカップを外した跡と巻線の数の変更”ですが、他の部位に言及されていないため基準は車検員によって変わる余地があります。また車検が通るかどうかは車検員の裁量によります。

よって、レーサーがOKだと思っていても車検がNGならNGです。同じようにレーサーがNGだと思っていても車検がOKならOKです。

(事実としてはモーター内部の状態まで車検をするレースは僕の周りでは聞いたことはありませんが、地域によってはあるかもしれません)

その運営に基づいて準備されることと、前の記事のとおり普通に慣らしたモーターとモーター出力を上げたモーターと分けて管理されると良いと思います。

 

 

 

こういった心置きの上、下記技術をお読みください。

 

 

ケミカルによる一時的な出力の上昇

マイクロロン

回転数への影響(マッハダッシュモーターPRO)

31300rpm(滴下前)

33800rpm(滴下 30秒)

33000rpm(滴下 60秒)

32600rpm(滴下 120秒)

最大+2500rpm  

 

持続時間:

5分(半減期 2分ほど)

 

上昇した出力に相当する当たりモーターのレア度

5%クラスを超える

 

成功率

100%

 

用意するもの

マイクロロン

 

 

※僕が使用したのはラベルが黒くなる前のバージョンです

 

テルモシリンジx1

テルモ シリンジ 1ml 10本セット 滅菌 個装

 

ニードルx1

注射器 1ml 3ml 5ml シリンジ ニードル注射器インジェクター 9本組 (並行輸入品)

※僕は、昔に東急ハンズで売っていたシリンジとニードルを使っていますが、↑のセットでもできそうです

 

塗料用小瓶x1

 

具体的な方法

  1. マイクロロンを塗料用小瓶内にスプレーし、2-3mlほど貯める
  2. テルモシリンジにニードルをつけ、0.05~0.1mlほど吸い込む
  3. モーターのエンドベルからニードルを入れ、ニードルの先をブラシにあてながら滴下する
  4. 手でモーター軸を1-2回転させ、馴染ませる

 

他のケミカルについて

マイクロロン以外のケミカルについても簡単に下記します。

 

呉 5-56 DX

回転数増加:最大+1000rpm(マッハダッシュモーターPRO)  

アオシマ モーターパワーアップスプレー

回転数増加:最大+2000rpm(マッハダッシュモーターPRO)  

 

注意書き

※いずれも火気厳禁と書かれている商品なので、火元に注意しましょう

普通にごく少量で使っていれば延焼することはありませんが、どうしても気になる人は不燃性を謳う商品を選ぶほうがいいかと思います。(僕も9年使っていて、火が出たことはありません)

 

あと、用量を守ってコースを汚さないようにしましょう。

0.05ml~0.1ml。厳守です。

進角調整による出力の上昇

回転数への影響

0~+12000rpm/2.8Vほどの代わりに、消費電流の上昇と停動トルクの減少が見られました(計測データを下記します)

 

進角0度

無負荷回転数 31300rpm

無負荷回転数時の消費電流 0.79A

停動トルク 2.65kgf(※)

 

進角20度

無負荷回転数 35900rpm

無負荷回転数時の消費電流 0.95A

停動トルク 2.5kgf(※)

 

進角60度

無負荷回転数 42400rpm

無負荷回転数時の消費電流 1.20A

停動トルク 2.3kgf(※)

 

※以前のモーター計測環境に準じます

docs.google.com

 

 

上昇した出力に相当する当たりモーターのレア度

5%クラスを超える(条件付き:回転数・トルクのバランスによる)

 

成功率

20度で60%ほど(角度が増えるごとに成功率は低くなる)

 

用意するもの

 

 

文房具のゼムクリップx1

 

■工具

リューター

リューター用ダイアカッター・ビット等

 

具体的な方法

 

コミュ固定用工具を作ります

 

ステンレスパイプを写真のようにリューターなどを使い加工します。(持ち手の部分は何mmでもOKです)

コミュ固定用工具のサイズ

 

 

ステンレスパイプの柄の根本に面一になるようにスリムマスダンパーの長い方をセットし、接着剤などで固定します。

スリムマスダンパーを固定する



軸回し用の工具を作ります

シャフトストッパーにキャップスクリュー30mmを取り付けます

軸回し用の工具

 

これで工具は完成です

 

 

次にモーターへの差し込み方です

ゼムクリップでブラシを寄せる

寄せたところにコミュ固定用工具の先を刺す

※刺しすぎるとコミュの位置によっては端子を壊してしまうので、ブラシを避けて入る程度まで刺します

 

ゼムクリップを抜く

 

軸回転用の工具を取り付ける

※六角レンチで締めます

端子を工具の先端に引っ掛ける

※端子がコミュ固定用工具のツメが引っかかるほどまで刺します。軸を回し調整しながら端子と端子の間にツメが収まるところを探ります

 

コミュテーターを回します

コミュ固定用工具とモーターを握り固定しながら、軸回転用の工具を徐々に右に回していきます(エンドベルを正面にして時計回りが進角・反時計回りが遅角です)

20度回すのに3分ぐらいかけます。途中、プチッと導線を切ってしまったら諦めます

 

その後、コミュ固定用工具を取り出し、回転数を測ります。

 

 

注意書き

ある程度職人的な感覚を得ることが必要です。

回転数が上がるからといって、進角をつけすぎてもトルク不足と消費電流が多いため速度が出ないようです。

経験上、だいたい10度~20度ぐらいで上限に近くなります。

 

また、成功すれば最高速が上がるので”心置き”のとおり、周りを見ながら使いましょう

 

 

ターミナル調整による接点圧の維持および接点位置の調整

回転数への影響

不明

 

期待できる効果

ブラシの減りによる接点圧減少の防止

ブラシ位置の修正による”進角・遅角”的効果

 

用意するもの

平ペンチ

 

具体的な方法

平ペンチでターミナルを0.5~1mmほど引っ張ります

その後、ブラシがその位置でフィットするよう慣らします

 

注意書き

特にありません

 

あとがき・記事の背景

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

 

これまでモーターに関する3つの記事を書いてきましたが、記事を書くに至ったのは水面下で”モーターの見えないところを開発する”人を継続的に観測してきたことと、モーターを取り巻く環境を考えればそうなるよと納得感があるほどに良くない状況と思うからです。

その中では”車検では見ないけど改造モーター使ってるだろ”という疑念や”見られたらアウトだろうけど使うのも仕方ない”という歪みがあるでしょう。

僕は彼らについてとやかく言うことも思うこともありませんが、このようなことは環境に対する現象ですから、解消を目指すとすれば環境を変えたり追加することが重要なわけです。

(逆にただ禁止したり、厳密な車検に変えたところで水面下のイタチごっこが始まるだけだとも指摘しておきます)

 

 

このような情報を公開すると、普段楽しんでいるコースが危なくなるんじゃないか的な発想になりそうですが、それって臭いものを見ないようにするようなことで、本来は皆が気をつけることを徹底することが重要です。

なぜかというと、実際には、

  • どのモーターを使ってもコースアウトしたマシンが人に当たる可能性
  • モーターガチャであるが故に誰かが”当たりモーター”を引く可能性
  • モーターの保存状態や試行錯誤の過程で”良い状態”ができる可能性

この3つは避けられません。つまりミニ四駆って元々危ないわけです。

もうちょっと正確に言うと、事故があったとしたらその原因の中に必ず制御不能な因子が含まれている。ということです。例えばマシンを走らせたら最後、ラジコンのように速度を制御することはできません。当たりモーターも、今のモーターの販売方法では誰が入手するかわかりません。このような制御不能な因子による危険性が含まれていて、その中で危険性と安全性のバランスをとって今までミニ四駆文化をつないできています。

 

他方、現代ミニ四駆の先鋭化って著しく、どんどん高速化しています。

かつてのチューン系モーターのみの環境から、ダッシュ系も含まれたり制振機構が発明されたりフレキが一般的になるごとに、さらに高いパワソが投入できるようになりました。そしてSNSの普及によって、ミニ四駆を初めて間もない段階でも高いパワソが投入できるマシンを作れるようになりました。トップレーサーも自己研鑽してより速いマシンを目指しています。

つまり以前に比べ、トップレーサーは徐々に早くなり、中間層は劇的に速くなりました。

そう考えるとこの先、体制を保っていても危険性が徐々に増してゆくことは想像に難くなく、そのバランスをとるためにより一層の安全対策・心の準備が重要だと思うんです。

 

さらに他方、昨今事故の情報も見かけましたが、反応を見ていると印象と悲観論が見受けられました。本来なら適切な原因究明と事故処理を期待されるはずですが、そうではありませんでした。これは安全性について信頼できるほどのシステムと共通意識を確立しておらず、今まで安全性を多くは語られてこなかったことによる脆弱さだと思います。これからは1ランク上の速度に慣れて得た知見や上記の”心置き”が広まって、全体を以て事故を防ぐ可能性を高められる世界があるといいなと、僕は思っています。

 

つらつらと書きましたが、

この記事で言いたいことは「1ランク上の速度に慣れて、安全に走らせることも身に着けましょう」です。

そして、他の記事も含めて言いたいことは「モーターガチャの確率やミニ四駆界隈の状況、無駄なゴミ、安全についても全部含めて(公式大会中心の文化と並行して)モーターの高速化技術が一般的な文化を作ると楽だし合理的じゃないですか」ってな話でした。

 

 

今回は僕の話に付き合ってくれてありがとうございます。

 

また書きたいことができたら書きます\(^o^)/

 

またね!