Whale System MS-V リリース
ーーー良いマシンができました。
”MS5”を”MS-V"へ改名し、コードネーム付きでリリースします。
Whale System MS-V ▶ Silent Ocean
ホエイルシステム エムエスファイブ (コードネーム:サイレント オーシャン)
辿り着いたのは、前人未到が故に静寂な海
『広大な可能性』の海に到達した、史上唯一のホエイルシステム
概要
MS-Vは新しくフルモデルチェンジしました。
より”高速”に、より”鋭く形態変化”しセクションを攻略するスタイルに進化しました。
”攻め”の安定性が向上しました
新機構C-AT、アンダーフックによってコース内へ留まる力が最大化され、レーサーの”攻め”戦略をサポートします。
小径タイヤを搭載することで重心を低く保ち、立体セクションをクリアしやすくなりました。
加速力が向上しました
簡単に作れる高精度フローティングギアと強固なギアボックスは駆動力を確実に伝え、パワーソースを最大限に活かすことができます。
全体的に軽くなりました。基本重量は103g程度で、これはMS3.xの基本重量より軽いです。
堅牢なブレーキ基部
金属ナットで固定されたブレーキ基部はブレーキプレートを強力に固定でき、確実にブレーキをかけることができます。
”ホエイル”初のコースアウト対策セット
後述のC-ATによる壁面回避、アンダーフックによるコースアウト防止機能、C-ATとMSフレキの可動領域とフロント提灯という、重要なコースアウト対策セットがMS-Vで完成しました。
SPEC(マシン構成)
全体
- 全幅 105mm
- 全長 151mm
- 全高 25mm ※ボディ・ローラー除く
- 最低地上高 1.5mm
- タイヤ径 23mm
- タイヤ幅 8-9mm
- 重量 103g
- ローラー幅 フロント 102mm/リア 105mm
- ギア ハイスピードEXギヤ(3.7:1)
構成
フロント
- フロントC-ATバンパー
- フロントC-AT用 MSフレキ アウターユニット
- 段付きタイヤ(23mm径3mm強幅、22.5mm径5mm強幅)
- ローハイトカーボンホイール
リア
- リアC-ATバンパー
- リアC-AT用 MSフレキ アウターユニット
- 段付きタイヤ(23mm径5mm強幅、22.5mm径3mm強幅)
- ローハイトカーボンホイール
センターシャーシ
- 旧センターシャーシ(モーター位置補正あり)
- スイッチ一体型モーターマウント
ギアまわり
- EXカウンター・簡易フローティングギア(前後)
- カーボンFRP補強ギアボックス
オプションパーツ
TOPIC(注目の機能・パーツ)
新機構「C-AT※」 ATバンパー・アンカーの限界を超える一体型バンパー
乗り上げた壁を「回避」する、新しいスタイルのバンパーです。
コースへの乗り上げに反応し、バンパーを畳み込むことで、瞬時にコース内の安全域へマシンを留まらせることができます。
今までATバンパーやアンカーの特徴だった、バンパーを傾斜してマシンをコース内に滑り込ませるスタイルから進化し、
バンパーを畳み込み乗り上げた壁を瞬時に回避することで時間を要せずコース内へマシンを進入させることできます。
これによりATバンパーやアンカーの限界より高い速度域で勝負することができるようになりました。
ATバンパーではジャンプからの着地でコース内へ滑り込むための安全域は30cm〜50cmでしたが、C-ATでは10cm〜20cmとなり、より高い速度域で勝負することができます。
※(Convolutional - Auto Track Bumper : 畳み込みATバンパー)
新機能「アンダーフック」 コースアウト対策の”最後の砦”
勝ち上がり時や”攻め戦略”で防ぎたい「1ミス」を帳消しにする、新機能パーツ「アンダーフック」です。
スロープからのウェーブ、ドラゴンバックからのコーナーなどのタイトなセクション順番では、乗り上げた”1ミス”で勝敗が決してしまいます。
この”1ミス”をなんとか堪えコース内に留まることで、勝負を続行することが「アンダーフック」の役割です。
シャーシ下の極端にスラストがかかった回転するゴムリングは、乗り上げて傾いた車体から壁への支えとなり、コースアウトを防止します。
※速度や状況によりますが、30%〜50%ほどの確率で乗り上げた車体を押し留め、再スタートを切ることができます。
より力強い駆動を。低遅延駆動セッティング
センターシャーシに施されたナットのギア当て、シャフトに接着固定されたスパーギア、
取り替え容易な簡易フローティングギア、カーボンFRPで固定された強固なギアボックス。
これらは遊びが小さく、トラクションがかかった時に遅延が少なく
モーターの出力を余すことなく地面に伝え、力強い加速ができる上級パーツです。
ホエイルシステム史上最も「低重心・低全高・軽量」
ボディ・ローラー除き、全高25mm。
フロント提灯さえもタイヤの高さより低く、タイヤ径以下の高さにほとんどのパーツが収まるコンパクト設計です。
また、基本構成103gはホエイルシステム史上最軽量でMS3.xの105gより軽くなりました。
地上高を高く確保。芝セクションでも減速しにくいフラット底面と内蔵スイッチ
最低地上高のギアボックス部とタイヤを除き、全てのパーツが地上高2mm以上。
スイッチを内蔵化したセンターシャーシはフラットな底面のため、芝セクションでも減速しにくくなっています。
多彩なブレーキを取付け可能。頑丈で汎用的なブレーキ基部
六角マウントを埋め込んだフロントブレーキ基部と、巧みに固定されたリアブレーキ基部はビスで強く固定され、
狙い通りにブレーキプレートをしっかり保持できます。
アイアンテールがオプションパーツになり、車重が軽くなりました
長らくホエイルシステムの象徴的パーツだった「アイアンテール」がオプションパーツになりました。
代わりにリアC-ATによる床面への衝撃逃しが基本となりました。
コースレイアウトや着地の素材によっては跳ねやすい場合がありますので、その時のためのオプションパーツでアイアンテールを活用ください。
アイアンテールが基本構成から外れたことで、重心が若干前方になり車重が軽くなりました。
作り方とパーツリスト
<<今後、リリースバージョンの写真を公開予定です。>>
リリースバージョンのパーツリストを公開中です。
<<試作機バージョンはこちら>>
試作機段階のパーツリストと写真を公開中です。
各製作図/画像
各パーツが作りやすいようシール印刷して作れる製作図を公開しました。
ハガキサイズで作成してありますので、サイズを合わせてご製作ください
※これらの画像は、個人利用かつ利益を生み出すことを意図していない範疇でご利用ください
データシート兼ステッカー
モーター上面に貼ってモーター情報を記載することができる
モーター用データシート兼ステッカーを作成しました。
項目の書き方
__.__A = 消費電流(無負荷時)例:0.8A
12345 TQ. = トルクの強さレベル(数字に○や赤ペンでなぞる)例:12345 TQ.
↓の20mm x 20mmのシールに印刷し利用できます
※これらの画像は、個人利用かつ利益を生み出すことを意図していない範疇でご利用ください
課題
工数・難易度について
MS−Vは高い精度を要求される加工が2箇所あります。(フロントC-ATの各パーツの形状)
またMS3.xよりも工数がかかりますということと、それだけ難易度は高めになっています。
作成される場合は、慎重に作成されることをオススメいたします。
現在判明している課題について
フロント提灯のゴムリングが規定の位置から外れる場合があります
とても強い衝撃を受けたり、フロント提灯ゴムリング押さえが破損することで、
フロント提灯下部でゴムリングがずれ、リフターの役目を果たせなくなる場合があります。
アンダーフックの耐久性が弱い場合があります
アンダーフックが作り方によっては繊維が脆くなり、数回のコース内へ押し留めたあとに破損する可能性があります。
アンダーフックのスラスト角をつける場合は、ゆっくり繊維をほぐさないよう固定し、瞬間接着剤など浸透固定してください。
ギアの寿命が短くなりやすいです
遊びが少ない低遅延駆動セッティングは、加速が強力な一方で、ギアに負担がとてもかかるセッティングです。
タイヤの摩擦力や仕様状況によってはギアが摩耗や変形によって数時間〜1日単位で交換が必要な場合があります。
ストックを多く持つか、摩擦の少ないタイヤに切り替えるかをおすすめします。
後記
これからホエイルシステムを作る人へ
ホエイルシステムに興味を持っていただいてありがとうございます。大変感謝しております。
恐らく、これを読んでくれているということは、MS−Vにご興味がある方だと思いますので、少しだけオススメ(!)させていただきたく思います。
ーー初めてのホエイルシステムはMS3.xがオススメ!
最近はMS3.xの前後ATバンパーを搭載したマシンや、リアにアンカーをつけたMS4.0との混合パターンをよく見かけるようになりました。
私おじゃぷろはホエイルシステム1x系から現在のMS−Vまで開発を続けて参りましたが、その歴史の中で最も工数と実績のバランスが良いのは実はMS3.xです。
MS3.xは多数のレーサーが使用していること、情報が多いことで問題が解消しやすく、理解も早いと思います。
まずはホエイルシステムの基礎であるMS3.xを作ってみてはいかがでしょうか
(もうMS3.xをお作りになって運用されてましたらスミマセン・・・!)
その上で、MS3.xが抱える限界と課題を解消すべくMS−Vの作成を検討する流れはとても自然なように僕は思います
ーーMS-Vはこれから熟成されるマシン
MS−VはMS3.xの課題を別の角度から解消し、正当進化したマシンです。
そして開発したてですからMSフレキやATバンパーやアンカーのように技術が熟成されるまで時間がかかります。
もしMS−Vを作成し運用していただけるのなら、その結果とともに”技術”も周りの方と共有し熟成されれば、私はとても嬉しく思います。
ホエイルシステムの可能性とおじゃぷろの今後について
今思えば、MS4.0のリリース後しばらくしてMS−Vの開発に取り掛かり、約3年を開発に要しました。
再構築に再構築を重ね、自分でもびっくりするほど向き合ったマシンでもあります。
そして「多層化ジェルボール」の概念のもと、重要な要素が揃った初めてのマシンでもあります。
マシンを領域分けし、壁に乗り上げたら形態(状態)を変化させ、危険性がなくなった段階で状態を戻す。ということが有効だとすれば。
これは領域と状態を定めて挙動させるということが、さらに進歩したミニ四駆ができるということを示唆しているのではと。
私はMS-Vを開発しながらそんなことを心に秘めていました。
Silent Oceanというコードネームにはそんな世界観が込められています。
一人になるまで突き進んだ先は静寂で、たくさんの可能性がある自由な海が見えたと。
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辿り着いたのは、前人未到が故に静寂な海。
『広大な可能性』の海に到達した、史上唯一のホエイルシステム。
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ーーーものすごく中二感ありますね・・・w
でもいいじゃないですか、やりきった後ぐらい(笑)
さて、今後のホエイルシステムですが、しばらく開発を凍結したいと思います。
なぜなら未知の領域を開拓した疲労感が大きいのと、私自身が開発のためあんまり遊んでないからです(笑)
VZシャーシのポテンシャルも気になりますし。。。
ということで、これからは運用しながら遊びたいと思います。現在はコロナ禍のためレースは控えめですが、
またコロナ禍が落ち着いた頃にはたくさんレースに参加し楽しみたいと思います。
さいごに、MS-Vの開発に協力してくれましたフォースラボの皆様。作っては実験と検証を長らくさせていただいてました新橋タミヤプラモデルファクトリー様、神出鬼没にいろいろなところで走行練習させていただきましたコジマビックカメラ様、ヨドバシカメラ様、ありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。
それでは、長文でしたが
Whale System MS-V ▶ Silent Ocean
リリースでした。ではまた、どこかでお会いしましょう〜!
ゼロ・アンカー(リア版)の作り方
お久しぶりですー。おじゃぷろです。
猛暑続く中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日も公式東京大会の様子を少し伺いましたが、暑い中の熱いバトル。お疲れ様です。
さて、公式レイアウトの中でも今年は段差が大きいセクションがありますが、予てより構想していたゼロ・アンカー(0軸アンカー)がフィットしそうだったので開発を進めました。
今回の作り方はゼロ・アンカー。アンカーが遂に『0軸』で実現できます。
1軸との違いは下記のポストの通りで、
構造が単純になり、1軸より作りやすい
軸に囚われないことで、入力方向が自由に受けられること
接続する力の方向が床面方向から進行方向に変わったことで、プレートを中心に戻す力が分離。より反発の少ない壁面のいなしが可能になった
ボールリンクマスダンパーのプレート耐久性問題がなくなり、耐損耗・耐久性が増した
ーーーといった具合です。
(参考映像)
ゼロ・アンカー(0軸)のリアができーた
— 𝙊𝙅𝘼𝙋𝙍𝙊; //おじゃぷろ (@OJAPRO) 2023年9月6日
軸のない、ゴムリング1つで接続するアンカー
通常セクションと高い高低差に対応できた
1軸アンカーとの差は
・構造の単純化
・自由度の拡大
・柔軟性の向上
・損耗耐性の向上
ーー続く#ミニ四駆
YouTube #フォースラボ「ミニ四駆LABO」で後日、大公開‼️ pic.twitter.com/rA5uU8nwAv
それでは早速作り方に参りましょう
目次
- 材料
- 基部の作り方
- 可動プレート部の作り方
- 基部・ブレーキプレート兼リミッタ部の組み立て
- 基部ユニットと可動プレート部の接続
- 調整について
- 検証済みのこと、検証していないこと、現在判明している課題について
材料
-
基部
-
MSシャーシ T-01ユニット x1
-
HG カーボンマルチワイドリヤステー 1.5mm J-CUP 2020以降版 x1
-
520ボールベアリング x2
-
お宝ワッシャー x2
-
ビス(20mm) x2
-
プラローラー用真鍮スペーサー
-
(写真右下のプラスペーサーは誤りで、正しくは上記です)
-
-
ロックナット x2
-
トラスビス(5mm) x1
-
スペーサー(1.5mm) x1
-
ナット x1
-
-
可動プレート部
-
ブレーキプレート兼リミッタ部
-
リヤブレーキステー
- ビス(10mm) x1
- スペーサー(6.7mm)x1
- ナット x1
-
- 接続用
- 19mmローラー用ゴムリング
- (写真に写っておらずですが必要です)
- 19mmローラー用ゴムリング
以降、一部パーツについて代用品を使って説明してゆきます
基部の作り方
HG カーボンマルチワイドリヤステー 1.5mm J-CUP 2020以降版をテープのライン(内側)の通りにカットします
520ベアリング・お宝ワッシャーを20mmビスに入れ、ロックナットで締めます
基部プレートにゴムリング用の引掛けをつくる
次はMSシャーシ T-01ユニットの加工をします。
MSシャーシ T-01ユニットをテープのライン、およびノコギリの歯の当てているラインに従いカットします
基部プレートのビスの出っ張りを避けるための切れ込みを入れます
可動プレート部の作り方
HG カーボンマルチワイドリヤステー 1.5mm J-CUP 2017/2018版
をテープのラインに従いカットします
ゴムリングの引掛けを作ります
トラスビス(5mm)、ナット、1.5mmスペーサーを画像の位置に取り付けます
リミッタの一部を作ります。
スーパーXシャーシ FRPマルチ強化プレートを加工してゆきます
写真のテープのラインに沿ってカットし、皿ビスようの座ぐり加工をします
加工したプレート同士を組み立てます。
スーパーXシャーシ FRPマルチ強化プレートの方に
15mm皿ビス、6.7mm(または6mm),1.5mmスペーサーをはさみます。
その後、ロックナットで止めます
基部・ブレーキプレート兼リミッタ部の組み立て
基部プレート、T-01 ユニットを組み立てます。
基部プレートのビスのナット側に真鍮スペーサーを入れ、19mmローラー用ゴムリングを乗せてT-01ユニットを乗せます。
その後、ブレーキプレートを乗せ、ロックナットで締め込みます
※ビスの出っ張りは切ることをオススメします
基部ユニットと可動プレート部の接続
基部ユニットから出ているゴムリングを可動プレートのスペーサーの間から通し、可動プレートの引っ掛けに掛けます。
ブレーキプレートの裏側からビスを通し、スペーサーとナットを締めます
これで、ゼロ・アンカーの出来上がりです!
あとは各々のマシンに沿ってセッティングくださいまし😀
おじゃぷろは現在こんな感じで構成しています
調整について
個体差、または組み付けた場合の”遊び”によって可動プレートがうまくフィットしきらない場合があります。
その場合は
・可動プレートの520ベアリングを別のサイズのベアリングと交換したり、接点を調整する
・可動プレートのスペーサーを6mmに変更する
・可動プレートのスペーサーを軽量プラスペーサーに変更する
・可動プレートのビスを通している穴の前端、または後端に寄せる(コンマ数ミリの調整)
・可動プレートのXシャーシ用プレートの両端、ユニット側との隙間があるはずなので、そこを埋めるよう削りを少なくした版を作る
などでご調整できます。
検証済みのこと、検証していないこと、現在判明している課題について
ゼロ・アンカーは開発過程でいくつかのテストをクリアしています。
一方、検証していないセクション、また検証した結果による課題もあります。
課題について進化の手助けになりますので、よかったら考えてみてくださいな😀
検証済み
下記セクションにてHDPまでの速度で問題なくクリアすることを検証済みです
※セクションの状態は良好かつ壁面のギャップは(3レーンは)1mm未満
- セクション
- 3レーン ストレート
- 3レーン コーナー
- 3レーン ウェーブ
- 3レーン LC
- 3レーン バンク
- 3レーン スロープ
- 5レーンストレート
- 5レーンコーナー
- 5レーン DB
- 5レーン バンク
- 5レーンカルーセルチェンジャー
検証していないこと
MDPの速度での各セクションの挙動
課題
HDPのトップスピード下にて、3レーンコーナーにテープや設営状況により大きな段差があると、過分に後方に引っ張られてコーナー速度が一瞬遅くなる可能性があります
※このブログを見て作ってくださった方々への問題です。これを解決できるとスムーズなコーナリングが安定・安心して実現できます。ぜひ考えてみてください!
それでは!よいミニ四駆ライフを!
またね~
モーター出力向上技術と”お心置き”について
【補足】
この記事、わかりにくいとの声があったので補足します。
目的は「近年の著しい高速化とその危険に対する、レーサー全体学習による危険性の低減」です。
手段は高出力モーターの早期学習、現在のモーターを取り巻く状況の整理です。
■何を学習するか
高出力モーターの走行イメージを確立し、周りをよく見えるようにすることです。
例えば30000rpm、35000rpm、37000rpmぐらいの出力では
それぞれどれぐらいの速度で走るか、どれぐらい飛ぶか、どれぐらいコースアウトするか、コースアウトした時にどうなるか、
コースアウトしたあとに事故は起きないだろうかと視野を広げること。
そうしたことを身に着けることで、適切な速度域を選択でき、会場にあわせた走行ができることです。
当たりモーターを使用した時に、その速度に魅了されやすいのはわかります。満タン電池でぶっ放せば快感です。
ですからそのことに集中してしまう前に、冷静に視野を広げ、会場に合わせた走行の感覚を学習することが重要だと思うわけです。
具体的な方法と意識するべきことは記事中に記載しています。
■モーターを取り巻く状況の整理
求める出力を補うため、各種ケミカルやモーター慣らし、水面下での高出力化技術(進角調整)などを試し迷走する人たちがいます。
また、せっかく得た当たりモーターも消耗品のため、旬を過ぎれば出力が落ちていきます。
例えば、大会では大会で使える当たりモーター。それ以外で研究したり遊ぶ場合は当たりモーターと同等の高出力化モーターと分け、高出力化の方法が公開されている環境であれば、迷走の選択肢も少なくなります。
副次的効果もあります。当たりモーターの消耗が減り、長期保存にもつながります。
当たりモーターの貴重さと、シミュレーションをする容易さのバランスを取り、資産を投入できるほうが効率的です。(※下の図を参照ください)
■なぜ学習が必要なのか
背景には著しいミニ四駆の高速化があります。
普段遊んでいる速度も高速化してきています。タイムアタックは象徴かもしれません。
そして同時に、危険度も増してきています。
高速化していますから、コースアウトした時にそれだけ強く人に当たる可能性があり、ガラスに当たれば割れてしまうかもしれません。
ミニ四駆は人の手を離れたら走るだけですが、できるだけその前に避けることが重要です。
だからこそ、そのレーサーへの学習とすでに学習した人々の協力によって、高速化したミニ四駆でも安全に楽しめるようになりたいです。
余談ですが、その意味でちょうどB-MAX GPが"安定性の限界"が"速度の制限"となっている良い例だと思っています。
続きを読む
モーターを速くする技術を認めちゃった方がいいんじゃない?って話
おじゃぷろです。
今回は僕の持論です。最近のモーターにまつわる環境はちょっと辛いので、モーターを速くする技術を認めちゃった方がいいんじゃない?って話です。
順を追って書いていますので、結論を先に読みたい人はこちらへどうぞ
目次はこちら
- ”安定性”が目覚ましく進化した現代ミニ四駆
- 安定性に対しての”速度”が不足している
- ”モーター慣らし”の情報と難しい状況
- モーターガチャの実際と運任せではない要素での勝負
- この状況を変えられるとすれば・・・
- そろそろモーターを速くする技術が一般的になってよいんじゃない?
”安定性”が目覚ましく進化した現代ミニ四駆
2018年ごろよりMSフレキが台頭し久しく、ミニ四駆は一段進化しました。
それまでのミニ四駆とは一線を画した安定性・速度を実現したマシンを総じて、現代ミニ四駆と度々呼ばれています。
特に進化が目覚ましいのは”安定性”。ホエイル論でいうところの”結果的にコースに入る性質”です。僕が当初開発したATバンパー、アンカー、C-ATや、既知の技術を実用化したフロント提灯、MSフレキシブル、キャッチャーダンパー。これらを組み合わせた”ホエイルシステム”は”安定性”を作り上げたモデルとして重要な役割を果たしました。
安定性に対しての”速度”が不足している
一方、”速度”については求められるレベルが上がり、販売されているモーターの性能が”安定性”に比べて不足しているようです。
現代では”安定性”が進化した分”速度”を上げやすくなりました。速度を上げるための要素は”モーター””電池”が主で、とりわけ”モーター”は競争優位のための重要な切り札の一つです。切り札をいくつも持つため、より速いモーターを得ることは重要になってきています。
しかしながら、販売されているモーターのラインナップと性能はしばらく大きく変わっていません。
また、ミニ四駆公認競技会規則ではモーターの不正改造は認められていません(下記参照)
3. 分解して巻線の数を変えるなど、モーターの不正改造は認められません。
4. モーターのツメにカップを外した跡が見られた場合は、不正改造と見なされます。
このため”モーター慣らし”や”モーターガチャ”など不正改造と見なされないやり方で、足りない速度を補うスタイルがよく見られます。
これは、販売されているモーター出力が現代の求められている速度に対して不足しているということだと思っています。
”モーター慣らし”の情報と難しい状況
”モーター慣らし”の情報についても難しい状況があります。
”モーター慣らし”の情報を得たとしても詳細でなかったり自分に落とし込める環境ではなかったりします。良いモーターを開けて観察しても再現できるほどの知見を自分が得られるかわからないリスクがあります。また、モーターの中身を開けることは、そのモーターはミニ四駆公認競技会規則に不適合な個体になってしまいます。
良いモーターを勝利のために使うか、リスクを負って次の良いモーターを作るための知見を得るために使うか、その天秤の上に難しさがあります。
その結果、再現性が不明なことのために貴重な良いモーターの中身を開け犠牲にすることを選びにくく、良いモーター内部の観察機会が少ない。そのため”慣らし”と”慣らした結果”から良い慣らし方を推察する手探りの状態がよくあります。
そして手探りの状態が故に(暗闇の中で宝を探すように)モーター慣らし用オイルや技術を探す人たちの話をよく耳にします。
難しい状況がゆえに、迷走しやすい状況が続いていると思います。
モーターガチャの実際と運任せではない要素での勝負
先に公開したモーター慣らしについての記事の中で、当たりモーターの出現率の低さがわかりました。そして当たりモーターを得たとしても寿命によって使えなくなります。
僕は”モーターガチャを続けたいですか?辛くないですか?”と問いたいです。
当たりモーターが競争優位の切り札になるのであれば、それは大量のモーターガチャを引いたものが優位であり”たくさんお金を使った者が優位である”ということです。
これは収入のない子どもたちやミニ四駆にさほどお金をかけられないが勝負を楽しみたい人たちにとって、認めざるをえない寂しいことのように思いますし、間違ったメッセージになりかねません。
小さな子供からご老人まで競争を楽しむホビーとして、ガチャに頼らず良いモーターを得られやすい環境に直した方がいいと僕は思っています。
逆に言うと、それ以外の運任せではない要素(改造全般)で勝負できる環境の方が良いとも思っています。
この状況を変えられるとすれば・・・
つまりは”安定性”に”速度”を合わせるため、何かしらの方法で今より平均出力を上げて、そのモーターを獲得するまでの手間を省くことです。
おそらく、この状況を変えられるとすれば・・・
察するに下記の可能性があると思います。
- 高出力のモーターを安定的に生産すること
- 平均値が高いモーターを新設すること
- ユーザーレベルでモーターを速くする技術を認めたコミニティを作ること
1,2は難しいと思っています。というのはタミヤさんの立場にたてば、売上の減少、安全性への課題、生産ラインの新設とコストとリスクを引き受けることになるからです。
3はユーザーレベルで平均出力を上げ、獲得する手間を省いた文化圏を作る。こういう方針であればユーザー側で決められると思います。
そろそろモーターを速くする技術が一般的になってよいんじゃない?
と、ここまで堅苦しく書いてきましたが、一言で言えば
そろそろモーターを速くする技術が一般的になってよいと思うのです。
進角やターミナル、磁力の調整、ケミカルの類。そういったモーターを速くする技術があたりまえになった文化です。
これによって、より速度を求める場面で全てが全てモーターガチャに頼る必要は無くなります。今まで何万円、何時間もかけていた選別と無駄な廃棄も必要ありません。
モーターの出力を上げる場面では、ポイントを絞って調整し、計測してハイ終わり。モーターに時間をかけず、必要な個数だけ用意できます。
市場的にも無駄に買う必要がないぶん購入数は減り、モーターの価格も抑えられ買いたい時に買えるようになりやすいです。
そんな時代が良いと思います。
もちろん公認競技会規則はありますが、あくまで公式大会の範疇であって、
別で私達に合った文化圏で現代らしいミニ四駆ができるはずです。
公式大会では公認競技会規則に則ったモーター。
私達の遊ぶ場では調整されたモーター。店舗では公認競技会規則を基準としているのであれば、一部を修正したルールを定めてもいいと思います。
またこのようなことを言うと、より進んだ技術(手巻きモーターなど)はどうだと考えることもあるかと思いますが、目的は”安定性”に”速度”を合わせること、その手間を省くことです。
ミニ四駆は今、新しい文化を作れる時期に差し掛かっていると思います。
さて、今回は僕の持論に付き合っていただいてありがとうございました。
より良いミニ四駆ライフが送れるといいですなー
じゃ、またね~
モーターを慣らしながら測ってみたら、良い判断ができそうなデータが取れたよ
こんにちは、おじゃぷろです。
レーサーになってから度々モーター慣らしを研究してきましたが、経験的に知っていることを客観的に見たかったり、これって本当なの?どれぐらいの確率なの?という疑問があり、そもそもどんなことに直面しているのも気になったので18個のマッハダッシュモーターPROを慣らしつつ、計測して時系列にまとめてみました。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1G-0Yrcn8TXUi9ZG6HCUOlkH1hQE2uTcs-aAtnB9MV6w/edit?usp=sharing
また、モーター慣らしの時系列データは公開しておきますので、特に許可なく軽率に活用いただけます
目次はこちら
- モーター慣らしの時系列データについて
- 時系列データからどんなことがわかったの?
- 問1 モーター慣らしでどれぐらい速度アップの期待ができるの?
- 問2 トルクを残す慣らし方はあるの?
- 問3 電池が垂れないモーターって意図的にできるの?
- 問4 ところで、SNSで見かけるやたら回転数の高いモーターって何?
- 問5 回転数が多くトルクのあるモーターってどれぐらいの確率で出現するの?
- 問6 私は3.0Vで測っているんだけど、比較できないの?
- 書いてある慣らし方でなければダメ?
- まとめると?
モーター慣らしの時系列データについて
モーター慣らしの時系列データについて、まえがきがあります。
このデータはあけぽん~寿命の”モーターの生涯”を含むデータですが、「出力の大きい状態の知見を得たい」目的のため、モーター出力が全体的に不安定になった慣らし時間78時間~90時間は12時間単位での計測、90時間~は計測終了し、生涯を終えたとしました。
最大トルクは簡易的な手作り計測装置を用いているので、ある程度誤差はあると思われます。同計測環境での傾向を見る程度の認識で御覧ください。
今回計測に用いたマッハダッシュモーターPROのロットは2022年4-5月にAmazonで購入できたロットです。個体数は18個です。
”慣らし時間が何10時間”という表記があり、そんな長い時間慣らせないよと壁を感じるかもしれません。そんな時は寿命を迎えるまでの”モーター内部の変化の程度”を示していると解釈ください。その上で、各々のモーター慣らし環境にあわせて酌量ください。
時系列データからどんなことがわかったの?
回転数の期待値や、生涯最大回転数の分布、最大トルクの遷移など、
モーター慣らしをしている際、引き続き慣らし続けるべきか止めるべきかを判断するうえで有用なこと、高回転モーターを得たいがコストを掛けたくないための妥協点を探るために有用なことです。
問1 モーター慣らしでどれぐらい速度アップの期待ができるの?
各モーターの回転数が最も上昇した時の増分をまとめると平均+2967rpm(※)でした。22000rpmぐらいのモーターなら25000rpmぐらいまで平均して上がる期待ができます。また、慣らし時間30時間ほどまではどの個体でも均一に慣らせそうです。その後は個体ごとの”慣れ”のばらつきが大きくなり、回転数が減る個体の割合が増えていきます。
慣らし時間30時間を超えて回転数が下がったらそれ以降は期待できなさそうです。
※時系列データ「モーター慣らしによって回転数が上がった最大値と期待値」を参照
問2 トルクを残す慣らし方はあるの?
特別なことをしない限り、基本的に残るようです。
慣らしの過程で、慣らし開始時より最大トルクの減少傾向が見られました。
その後、慣らし時間24時間で回復を始め、慣らし時間60時間時点で平均が慣らす前のトルクを上回りました。
トルクに影響する磁石の磁力が上昇したり、コイルの状態は変わらないので、察するに初期の”慣れ”によってブラシの接触面積が多くなり接触圧も高いままのため抵抗が一時的に多くなり、最大トルクが一時的に減った。その後”慣れ”が進行してブラシの接触圧が低くなり抵抗が減った、結果的に最大トルクが上昇したのだと思います。
なので、モーターが持っている(抵抗がない状態の)トルクは変わらないと推察しています。
問3 電池が垂れないモーターって意図的にできるの?
できます。慣らせば慣らすほど消費電流は下がっていきます。
時間に比例して消費電流が下がっていく傾向が見られたので、電池が垂れにくいように消費電流を下げたければ、慣らし続けることが重要のようです。
問4 ところで、SNSで見かけるやたら回転数の高いモーターって何?
察するに、下記のどれかだと思います
- 偶然できた個体値の高いモーター
- 磁石が弱くなり高回転化したモーター
- 進角がズレたモーター
普通に慣らして高回転なモーターは、偶然できた個体値の高いモーターかと思います。その場合、生産時に磁石が既定品質に近ければ、回転数が多くトルクあるモーターです。
慣らしや使用状況・保存状況によって熱ダレや強力な磁石の近くにあったなどで、磁力が弱まって、低トルク・高回転化するモーターもあります。事前に最大トルクを測っておけば、低トルク化したか、そうでないかは見極められると思います。
生産品の中には進角がズレた個体があるようです。一方で進角を意図的にずらすことで、回転数を大体3000~6000rpmほど上昇させることができます。しかしその性質から、低回転域のトルクが減るようです。
どちらにせよ、進角は回転数に影響があります。
問5 回転数が多くトルクのあるモーターってどれぐらいの確率で出現するの?
非常に低いと思われます。2.8v計測で33000rpmを超える個体は見つかりませんでした。
また、31000~33000rpmの中に約78%の個体が含まれており、低回転側になるほどなだらかに個体はありますが、33000rpm以上の個体が無いことを踏まえると、高回転側の品質には上限があるようです。
また、前回公開した4つの個体を含め、33000rpm以上の個体は全22個体に対して1つでした。(つまり約4.5%)仮に22個中1個が確率どおりだとしたら、33000rpm以上の個体1つを得るための金額の期待値は10560円(480円x22)になります。更に高回転を目指すなら更に厳しい確率になりそうです。
モーターガチャはこのような確率的コストを背景にしています。
その上で、各々のお財布と相談しながらモーターにどれぐらい投資するか決められると良いかと思います。
問6 私は3.0Vで測っているんだけど、比較できないの?
おおよそであれば比較できます。
仮に33000rpm/2.8Vであれば、3.0V、3.2Vではだいたい下記の変化になります。
想定ケースも併記しました。
37100rpm/3.2V(2.8V比1.124倍) → 新品のアルカリ電池ぐらい
35300rpm/3.0V(2.8V比1.07倍) → ニッケル水素電池を充電したて~数分置いたぐらい
33000rpm/2.8V → ニッケル水素電池を充電してしばらく置いた時ぐらい
書いてある慣らし方でなければダメ?
そんなことはないです。各々の環境によって電圧や回転方向・時間は様々です。
しかし”慣らし”を続けたモーターの過程はおおよそ似通っていると思います。
まとめると?
- 慣らし時間30時間までは回転数を上げるために慣らし続けてOK。
- トルクは一旦減った後、慣らし時間24時間ぐらいから回復しはじめる。トルクを妨げる抵抗のせいだと思われる。
- 慣らせば慣らすほど電池が垂れにくいモーターになる。
- たまに見るSNSのやたら高回転なモーターはいろいろな状態が想定できそう。
- 最高回転数が33000rpm/2.8V以上になる個体はたったの4.5%だったし、確率通りだとしたら獲得するための金額の期待値は10560円。
ということで、今回はモーター慣らしの時系列データから経験的に知っていることを確かめたり、推察をしてみました。
この記事がよいと思った人はGOODボタン、もっと見たい人はチャンネ・・ちゃうちゃう。Youtubeじゃないね
ではまた、よろしくでーす
ATバンパー2つの“真髄”がいま明かされる! スラスト角度とアンダーガードに注目してマシンを見直してみよう【おじゃぷろミニ四駆ラボ】
今回はATバンパーについて少し踏み込んだ見方をしていきます。チェックポイントは2つです。
・“風見鶏の性質”とスラスト角度
・ギミックの配置と形状
これから説明するのは、「縦のビスを使ってストロークするバンパー全般」が対象です(僕の公開しているATバンパーも含まれます)。
目次
「ATバンパー」とは?
「ATバンパー」という名称は、「壁を追従(オート・トラック)する」意味からきています。その性質は既存のリジットなバンパーより壁にフィットする柔らかさと、既存のスライドダンパーより広い対応領域を持ち、既存のアンダーガードよりコース内に入りやすい性質を持ったバンパーです。
効果としてはマシンがコーナー壁で段差に衝突したり、空中からコーナーへ進入(エアターン)した際にマシンの姿勢が乱れたり、空中からストレートへズレて入ったとしても、バンパーがマシンの位置をある程度補正し、最終的にコースに入る確率が上がるバンパーと言えます。
ATバンパーの全貌・作り方については僕のブログ「おじゃぷろの"とりま"」を参照ください。
ポイント1「風見鶏の性質とスラスト角度」
風見鶏は風になびいているとき、必ず風上に頭、風下に尻尾が向く性質を持つように設計されています。この性質をここで「風見鶏の性質」と名付けて話を進めていきます。
ATバンパーに風見鶏の性質を当てはめると、「壁面の流れに沿ってスラストが変化する性質」を指します。
では、その性質を実現するにはどのようにセッティングすればいいのでしょうか? 気をつけることは下記の2つです。
・ローラーは必ず縦軸より後ろに配置
・一時的にならアッパースラストになってもOK
風見鶏の性質を反映したATバンパーは必ず以下の条件を満たします。
・支点2つより後方にローラーの接点がある
・横から見た時、支点より上下に1点ずつローラーが配置され三角形を形成している
(※支点とは縦にストロークするビス軸にATバンパーのブリッジが嵌っている箇所を指す)
この物理的な法則を、ミニ四駆のパーツセッティングに落とし込むと下記のようになります。
・支点2つより5mm以上後方にローラーの接点がある
・マシンを横から見た時、支点から下方のローラーへの距離と上方のローラーへの距離とでは後者の方が長い
・フロントATバンパーのローラー幅は下方より上方が同幅~1mmほど長い(下方8mmローラー、上方9mmローラーなど)
・ローラーを押さえてゼロスラストになるための荷重は100~200gf
風見鶏の性質をこれらのセッティングによって利用し、基準スラストがコーナーの壁の流れに沿うことで、スラスト軽減効果が生まれます。
コーナーの壁は3レーンではマシンの遠心力のため、5レーンでは長期使用のため壁面上部が外周方向に湾曲しているので、ATバンパーで壁面に合わせつつマシンが遠心力でインリフトしかけた状態でのスラスト軽減を目指すわけです。
スラスト軽減効果が顕著に現れ、クリティカルなアッパースラストまで至る速度域になったら、今度はATバンパーの押さえの力を強くするか、基準スラスト角を急にします。
風見鶏の性質はコーナー以外でも影響します。
空中からのコーナー進入時(エアターンや飛び込み)でイレギュラーなマシンの暴れが発生した場合や、コースへ突っ込んだ時にダウンスラストでさらにフロントが押さえつけられてしまうい、リア側が上がった場合にコースアウトの原因になる可能性があります。
そんなときに壁の流れや形状に沿って一瞬アッパースラストになることで、無理な体勢にならずにコースに進入する確率が上がります。
実際のATバンパーではこのように動きます
まとめ
・風見鶏の性質を実現するため、ローラーは必ず縦軸より後ろに配置
・風見鶏の性質によって、一時的にアッパースラストになっても大丈夫
ポイント2「ギミックの配置と形状」
マシンの暴れを収束させることを、どれだけのレーサーが意識しているでしょうか?
現代のミニ四駆ではより速く、より正確にコース上を辿ることが求められています。しかし、スタートさせたらマシンに挙動を任せるしかなく、熟達したレーサーでなければコース上を走るマシンの軌道を正確に予測するすることは難しいことが現実です。
そこで思い通りに走らずマシンが暴れても、コース内に軌道が収束し“結果的に入りやすい”ことを、重要視したのがATバンパーです。
ATバンパーの特徴に「傾斜をつけた丸いアンダーガード」が挙げられます。つまり、石鹸がすべって石けん台に収まるように、コリントゲームの球がカップに収まるように、アンカーの丸いヘッドが基部に収まるように、丸い形状のものは受け取る形状のものに収まろうとします。
同じようにコースとマシンの関係も、コースをカップとしたら、マシンを丸く整えると収まりが良くなります。つまり、アンダーガードに傾斜をつけ丸く整えると、スロープからの飛び込みの時に収まる確率や収まるまでの時間が短くなります。
つまり、まとめると。
・ATバンパーの底面は傾斜をつける(底面と平行にしない)
・ATバンパーの底面はできるだけ上げる
・ATバンパーがスムーズに持ち上がりやすく調整する
コースへの収まりを良くするために、ATバンパーでは以下の条件を満たすように調整します。
・アンダーガードは壁・前方に向かって傾斜している
・アンダーガードの両端はマシンの重心から3-4mm下方に存在する
・アンダーガードが持ち上がり始める力は60gf以下(量りで計測)
・アンダーガードは5mm以上縦にストロークする
・アンダーガードはピボット軸から両端まで傾斜している【※】
※リアATバンパーでは重要視しなくてよい
マシンを見直そう
上記を参考に、GWは各自のマシンを見直してみてはいかがでしょうか? 修正できるところがあれば、必ずマシンの挙動に現れてくるはずです。
以上、おじゃぷろのミニ四駆ラボでした~。またね!
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“ホエイルの心得 ver2.0” 心躍るミニ四駆レースに誰もが参加できるようになるために――おじゃぷろがホエイルを「自由でオープン」にする理由
こんにちは、おじゃぷろです。
今回は読み物です。以前記しました”ホエイルの心得”を改めて、アップグレード版でお届けします。
- ”ホエイル”の全体像のおはなし
- ホエイルとはマシンの名前ではなく”スタイル”
- “ホエイルの概念”と“過去のホエイル”について
- ホエイルの情報を”自由でオープン”にする理由
- ホエイルの心得 ver2.0
- ホエイルから“おじゃぷろ”の名前がなくなる日を夢見て
”ホエイル”の全体像のおはなし
MSフレキが主流な改造となり、今ではその中でも様々な流派が生まれるようになりました。最近はVZシャーシという新しい片軸シャーシが発売されるという動きがある一方、それに負けじと旧来のシャーシも改造技術が洗練されるなど、ますますミニ四駆界隈の盛り上がりを感じています。
その盛り上がりの中で僕が提唱した“ホエイル”という存在は、作り方や技術が一般に公開されている為か、その全体または一部を自身の改造に採用される方や“ホエイル”の派生を開発される方も多くいらっしゃるようです。一方で、加工が前提であったりハードルが高かったり、僕が以前ブログに書いていた考え方を読んでもよくわからない、という声もお聞きしています。
この記事は、ホエイルとは何か、または何を以ってホエイルなのか、そして“ホエイルの心得"をあらためて解説していきます。ぜひ記事を最後まで読んで、ホエイルの思想的かつ実践的な全体像をつかんでいただければと思います。
ホエイルとはマシンの名前ではなく”スタイル”
実は僕が提唱した“ホエイル”というのはマシンの名前ではありません。
「何を搭載すればホエイルなのか?」「どんな特徴があればホエイルなのか?」という質問をたまに見かけます。
レーサーがマシンについて考える際、後述する“ある独自の着眼点”を”ホエイルの概念”と呼び、その”ホエイルの概念”に基づいたマシンをホエイルと呼べる、としています。
もう少し具体的に言うと、下記の2つが成立すれば“ホエイル”です。
1)”ホエイルの概念”または“過去のホエイル”に基づく。
2)レーサーが“ホエイル”と呼びたい。
1)について、マシンの新たな改造を作ることが得意な人(開発者)と、新たな改造を実際のレースに落とし込み結果を出すことが得意な人(運用者)がいるとするならば、“ホエイルの概念”を追求する人はホエイルの開発者であり、“過去のホエイル”を踏襲する人はホエイルの運用者と言えます。そこには、開発する人と運用する人が共に手を取り合ってホエイルを進化させていければ、という願いがあります。
また僕が“ホエイルの概念”を追求した結果、具現化した“ギミックの集合体”を「ホエイルシステム MS~」と名付けています。
2)について、「ホエイルと呼びたい」と思っていても、”ホエイルの概念”または“過去のホエイル”の一部も踏襲していなければ、「どこらへんがホエイルなの?」という疑問は出てくると思います。逆に1)で掲げた”ホエイルの概念”または“過去のホエイル”に基づいていても、「ホエイルと呼びたくない」という人もいることでしょう。
ですから、他人のマシンを「ホエイルではない」とか「ホエイルだ」と決めつけずに、レーサー自身の内規としてお心置きいたただければ幸いです。
つまり、ホエイルとは具体的な改造を指すマシンの名前ではなく、あくまで概念の名前であり、もっとカジュアルな言い方をすれば“スタイル”と表現するのが適していると思っています。
まとめると……。
“ホエイル”とはマシンの”スタイルの名前”
“ホエイルシステム”はモデルの名前。
“ホエイル”というスタイルを開発・運用する人のマシンを“ホエイル”と呼べる。
“ホエイルの概念”と“過去のホエイル”について
“ある独自の着眼点”それがホエイルの概念である、と先程ご説明しました。では「“ある独自の着眼点”とはなんぞや?」という疑問にお答えしようと思います。
“ある独自の着眼点”=ホエイルの概念は2種類あります。ひとつはホエイルシステムのバージョンでいうところの「MS3.2まで」に採用された概念と、もうひとつはその進化版である「MS4.0以降」に採用された概念です。
MS3.2までのホエイルの概念
- 矢のようにきれいにまっすぐ飛ぶように
- 強い制振性を意識する
- ズレた際の補正能力を高める
- (※ミニ四駆超速ガイド 2015参照)
MS4.0以降のホエイルの概念
- 多層化ジェルボール…表面材質・柔らかさ・形状の選択性と"層"の解釈
- 極小の一点…パーツがより重心に近いほど危機回避能力が高いとする、パーツ構成の目標
……と言っても、具体的にどのようなイメージかわからないこともあると思いますので、参考に下記の例を挙げてみました。
MS3.2までのホエイルの概念の実装
「矢のようにきれいにまっすぐ飛ぶように」調整できるピボットの幅の調整構造
「強い制振性を意識する」ためのフロント提灯とフレキ
「ズレた際の補正能力を高める」ためのATバンパーのアンダーガード
MS4.0以降のホエイルの概念の実装
壁に乗り上げたときにマシンが摩擦で横に回りにくいよう接触部分にパッシングシールを貼る(表面材質)
壁や床面に当たりやすいパーツをできるだけ反発をもらわないように「ミニ四駆キャッチャー」などの柔らかい素材を採用する(柔らかさ)
壁に乗り上げたときにすぐにコース内に復帰できるようにアンダーガードを曲面にする(形状)
壁に乗り上げたときに"マシンを復帰させる"ためのパーツと、"壁を回避する"ためのパーツ2つを状態分けし利用する("層"の解釈)
イレギュラー挙動を発生しやすいブレーキプレートやアンダーガードの位置を重心に近づけたり取り除くことで、重心に近いパーツを中心にマシンを組み上げる(極小の一点化)
このように”ホエイルの概念”を追求していくことで、実践的にマシンを改善していきます。
過去のホエイルのパーツ
また”ホエイルの概念”を追求することで、過去に生まれたパーツには下記のものがあります。これらは”ホエイルの概念”を追求することで生まれた”過去のホエイル”と言えるでしょう。
- おじゃぷろ式フレキ
- リフター付きフロント提灯
- アイアンテール
- ATバンパー
- アンカー
これらのどれか一つで運用していたとしても、それは”過去のホエイル”に基づいています。そこで、さらにご自身がそれを「ホエイルと呼びたい」と思えば、それはホエイルと言って問題ない、というわけです。
ホエイルの情報を”自由でオープン”にする理由
ミニ四駆のレースには勝敗という要素が大きく存在するが故に、“技術を秘匿して独占的または寡占的に利用する者が優位に立つ”という宿命があります。さらに、現在のミニ四駆界隈はトップ層のマシンの改造レベルが飛躍的に底上げされた状況です。そんな環境の中で、レーサーがみな等しく技術を持ちレベルを上げられるかと言えばそうではありません。
しかしながら……。ある程度レベルが上がれば、実力者との差は縮まることもまた事実です。その時には、レースを競うことに楽しさを感じる場面が増えることでしょう。
繰り返しになりますが、勝者と敗者・強者と弱者・情報を持つ者と持たない者という対立構造がミニ四駆のレースには存在する以上、突き詰めていけばマシンの改造だけでなく、レーサーを取り巻く文化にも難しいものがあると感じています。
その難しさを、僕が提唱したホエイルによってある程度解消できないかと思っています。そして、ホエイルは皆が楽しめる環境において、話のネタにできたり、共有できる技術でありたいとも思っています。
例えばレースで上位を目指す人にとっては、ホエイルの技術を使うことで「勝負になるため」に費やすであろう数ヶ月~十数ヶ月の「運用時間」を50~100時間ほどの「製作時間」に転化し、一旦自分のマシンのレベルを「勝負ができる」程度に引き上げることができます。
一方で、レースをしているグループの中でもホエイルの技術でバンパーなどを作ってみたり、検討してみたりすれば、知らない人ともコミュニケーションのきっかけになることでしょう。
そのためにホエイルの技術は「自由でオープン」であることが必要だと考えています。
ホエイルの心得 ver2.0
誰もが話題にでき、楽しめることを目指すホエイルの技術は“自由でオープン”です。
そして自由でオープンな文化とレーサーの"迷い"から守るために、僕は全く強制するつもりはありませんが、こういうスタンスや心得で接することができると好ましいなーと思っていることはあります
- ホエイルで学んだ概念・技術・ノウハウは公開できるようにしましょう。
- 『役に立つこと』に目を向けましょう。
- 人それぞれ『大切にしていること』があります。
- 可能性に挑む姿の邪魔・批判をしてはいけません。
- 考えた先に必ず何かはあります。それが”壁”か”金脈”かはわかりません。
では、それぞれ解説していきます。
1)ホエイルで学んだ概念・技術・ノウハウは公開できるようにしましょう。
すべての人がすべての概念や技術に"自由に"触れられることが望ましくあります。
そのために、公開された情報から考え、考えたものをまた公開する。このような流れが好ましいと考えます。
積極的に公開せよとまでは言いませんが、聞かれたら隠すことなく答えられるとよいですね。
2)『役に立つこと』に目を向けましょう。
アイデアは『役に立てる』ことが重要です。発明や具現化できたことは"功績"ですし、その事実を知ることは他者の役に立つでしょう。
しかし"功績"を起源の主張などで奪い合えば、"役に立たない争い"に囚われることになります。発明や具現化できた事実に変わりがないなら、その事実こそが誰もが獲得できない糧であり誇りです。
その糧をもって『未だ発明・具現化されていない役に立つこと』に目を向けるとよいと思います。
3)人それぞれ『大切にしていること』があります。
人それぞれある『大切にしていること』が『正解』よりも重要だと考えます。
同じマシンを見ても『柔らかさ』を見る人もいれば、『モーターの速さ』を見る人もいますし
ボディの『かっこよさ』を見る人も、背景の『物語』に浸る人もいます。同じように店舗・レースの運営やマシンにもそれぞれの『大切にしていること』が現れているはずです。
故に、自分が『正しい』と思ったことが、他者には『重要ではない』または『役に立たない』ことが多々あります。それは大人でも子供でも、男でも女でも関係がありません。自分が『正しい』と思った時こそ、相手がどのような世界観かに目を向けることが必要だと、僕は思います。
4)可能性に挑む姿の邪魔・批判をしてはいけません。
可能性に挑むことこそ最も難しく、最も進化に貢献し、最も尊びたいことです。その結果が明白だったとしても。間違えていたとしても。愚かしいように見えても……。
その人がその人なりに頑張っているのです。見守りましょう。
助けを求められた時こそ、貴方の出番です。
5)考えた先に必ず何かはあります。それが"壁"か"金脈"かはわかりません。
ホエイルには前人未到の可能性がまだまだ残されています。
故に自身で考え、自身で切り開くことに意味があります。それが"壁"か"金脈"かはわかりません。しかし結果はどうであれ、それが糧になりアイデアや判断の軸となります。
ホエイルから“おじゃぷろ”の名前がなくなる日を夢見て
最近では、”フレキ+フロント提灯+ATバンパー(またはアンカー)”のマシン構成をよく見かけるようになりました。
ホエイルやホエイルシステムという名前がこの先残るかはわかりませんが、マシンに対する考え方や思想、ギミックが「おじゃぷろ」という名前から切り離され、自立して有り続けられるようになったとすれば……それは本当の意味でテンプレの仲間入りを果たせたのだと、少しだけ自負したいところであります。
以上、おじゃぷろのホエイルについてでした。
皆さんが様々な可能性を掘り進め、ご自身のホエイルを作り上げることができれば、僕も嬉しいですヽ(´ー`)ノ
ホエイルシステム・MS5試作機 フロント提灯、アイアンテールetc――写真でわかる組み立て講座 後編【おじゃぷろミニ四駆ラボ】
※2020-05-27更新
フロント提灯について、耐久性検証の結果パーツ寿命が1ヶ月ほどと判明しましたため、高耐久素材で更新予定です
そのため、フロント提灯は各自作成されたあとに更新される場合がありますので、現在の構成写真および台紙は参考資料として心づもりいただけますと幸いです
===========
こんにちは。おじゃぷろです。
前回、MS5構成写真前編では、MS5の主要な構成をお送りしました。
今回はボディ提灯やブレーキプレートです。
今回もおおまかに以下の構成になります
フロント提灯(ボディ提灯)
アイアンテール
オプションパーツ(ブレーキプレート)
提灯・アイアンテールの型紙
前後編あわせて、製作できればMS5は完成です。
(それぞれのマシンによって調整ください)
いつものとおり、写真と少量のテキストのみで進行して参りますが、しばらくしたら組み立て動画もフォースラボチャンネルで公開予定です。
フロント提灯(ボディ提灯)
提灯構造にボディを含ませ、全体的なしなりと重量対効果が高い合理的な提灯
裏から撮影
試験段階のため、このバージョンでは下記の構成にしています
提灯フレーム(※後記の型紙参照)をクリアカバー
補助フレームをクリアカバー+キャッチャー の2重
※提灯フレームについて”耐久性のポイント”を学ぶため、最初はキャッチャーで作ることをオススメします。運用時に白く変色したり”裂け”ができるポイントが耐久性を守るポイントです
ボディ提灯の全体強度は(クリアボディ+提灯フレームの材質)で調整します
キャッチャーで提灯フレームを作るとより固く調整できます。
※わかりにくいですが、提灯フレームとボディのキャノピー部分を両面テープでしっかりと固定しています(緑ブレーキ用1mm厚両面テープか、市販の超強力な両面テープがよいです)
また、提灯フレームとマスダンパーを載せているプレートのビス用の穴は1.8mmで空け、ビスの溝にキャッチャーを噛ませる形で固定します
基部のボールリンクマスダンパーFRPは提灯フレームと接着剤で完全に固定してから、
中央部の”溝”をFRPだけリューターなどで切り、剥がします
(提灯フレームには損傷を与えないように慎重な作業になります。。。)
また、先端は提灯の稼働を妨げないように斜めに削ります
ボールリンクマスダンパーのFRPを前方に配置しこのように形作ります。
その後、型紙どおりに切り取った提灯フレームとビスごと接着剤で固定(ビスはスクリューキャップを削ったものを利用していますが、ビスなどで十分です)
マスダンパーの内側を削り、底面のプレートを少しだけシャーシ側にせり出させます
(コーナーでできるだけ提灯が上がらないよう、遠心力でシャーシ側面に引っ掛かるように)
アイアンテール
軽量なリアサイドの制振機構。リアの細かな振動と跳ねのピークを抑える
全景
後記の台紙にそってクリアカバーから2枚切り出し、
2枚の間の先端から枝分かれしているぐらいの範囲までパッシングシール+とても薄くグリスを挟みこみ減衰を作ります。(厚く塗るとグリスが飛び散るのでとても薄く塗ります)
2枚重ねになっています
(ドライバーが乗っている部位から下、六角ウェイトまでのところにパッシングシールを貼り、とても薄くグリスが塗ってある)
オプションパーツ(ブレーキプレート)
コースによってはブレーキが必要なのでフロントに2種類・リアに1種類用意した
※運用結果によっては仕様が変わる可能性が高いです
ARなどのリアステーからフロントブレーキプレートを切り出し、ブレーキ面を炙って曲げる
今回はフロント用を15度ほど(3レーンのスロープに当たりやすい)と30度ほど(フロントブレーキを飛び込みで当てる時)の2種類と、リアブレーキ用の1つを作成した
(ユニットとの接合穴はリアステーの既存の穴より3-4mmほどプレート側に穴をあける)
フロント提灯・アイアンテールの型紙
切り出し用の型紙です。(ダウンロードは右クリック→名前を付けて画像を保存)
サイズを合わせてシール用紙などに印刷し、素材に貼り"薄紫色"の領域を切り抜きます。
上から提灯フレーム、補助フレーム、アイアンテールです
以上、MS5.0の構成写真でした。
写真だとわかりにくかったという方も、今後公開予定のMS5組み立て動画をご期待ください
それではまた~~(^^)/
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おじゃぷろTwitter https://twitter.com/OJAPRO
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ホエイルシステム・MS5試作機 C-AT、駆動――写真でわかる組み立て講座 前編【おじゃぷろミニ四駆ラボ】
<更新履歴>
※2020-05-08 更新
リアC-ATアンカー部分のキャップ加工について、画像を追加しました。
リアC-AT基部構造を更新したため、一部画像を旧バージョンとし最新版の画像を追加しました。
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こんにちは。
コロナウィルスの影響で弊社テレワークとなり、運動不足が徐々に進行中のおじゃぷろです。
C-ATを含むホエイルシステムMS5の全貌を見たいとの要望を受けまして、
運用テスト段階ですが、構成をお披露目することにしました。
※まだテスト段階のため、以後アップデートや再構成する可能性は十分あります。
また、実際に組んでみた皆様からフィードバック、お待ちしております。
いつものとおり、写真と少量のテキストのみで進行して参りますが、しばらくしたら組み立て動画もフォースラボチャンネルで公開予定です。
今回は前半です。おおまかに3つの構成になります
- C-AT(フロント:ATベース)
- C-AT(リア:アンカーベース)
- MSシャーシ駆動
C-AT (フロント:ATベース)
2軸ビスを基部としたC-AT(フロント側)
C-AT基部
C-AT(リア:アンカーベース) アンカー構造を基部としたC-AT
リアC-AT基部
※2020-05-08 更新 リアC-AT基部
キャップ受け▶スラスト保持プレートに変更しました
MSシャーシ駆動
MSシャーシの駆動まわりです
埋め込みスイッチ
シャーシ底面内に構成するスイッチ。シャーシ底面の底上げに貢献する
シャーシ全景です
以上、MS5.0の構成(前半)でした。
写真だとわかりにくかったという方も、今後公開予定のMS5組み立て動画をご期待ください
次回。MS5.0の構成(後半)
それではまた~~(^^)/
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おじゃぷろTwitter https://twitter.com/OJAPRO
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ホエイルシステムをゼロから作ろう!”おじゃぷろのとりま”を解説しながらホエイルシステムを作る動画を配信中
お久しぶりです、おじゃぷろです
コロナウィルスの影響でまだまだ外出は控え目とされる中、いかがお過ごしでしょうか
只今フォースラボではホエイルシステムをゼロから作るプロジェクトが進行しており、解説動画を配信中です
この「おじゃぷろのとりま」から、どのようにしてホエイルシステムを完成させるのか・・・!期待です☆
ホエイルシステムを作りながら制作の道筋を見せてくれる有志出演者の方々、ありがとうございます(ちなみに僕はノータッチですw がんばれー!)
【簡単ホエイル講座#0】ホエイルシステムを作る前に揃えたいツールとは? おじゃぷろのとりまをミニ四駆ビギナー向けに解説するシリーズが始まります!
【簡単ホエイル講座 #1 】キットは二つ用意する。ニッパーでヒビ割れが入らないように上手く加工する方法をご紹介!フレキ制作の第一歩…アウターユニット製作前編
【簡単ホエイル講座#2】軸穴を手作業でも正確に加工できる画期的なDIY治具を大公開!フレキ制作の第一歩…アウターユニット製作後編
【簡単ホエイル講座#3】フレキのスムーズなサス稼働は「バリ処理」にあり!平刃デザインナイフによるシャーシ加工法を伝授します。センターユニット組み立て前編
【簡単ホエイル講座#4】複雑で分かりづらいセンターシャーシの加工はニッパーだけでも切り取れます!ーーセンターシャーシ加工後編
【簡単ホエイル講座 #5】強化ギヤカバーでギヤをしっかり抑えて駆動効率上昇!軽量化と冷却効果を狙ったカットポイントをご紹介ーー強化ギヤカバー加工編
【簡単ホエイル講座#6】お辞儀防止プレート製作。ひと工夫加えた形状に加工してシャーシ加工の手間を削減!
【簡単ホエイル講座#7】即席治具で作る綺麗な減衰ゴム。おじゃぷろ式フレキの中枢部を正確に作る方法をご紹介。減衰ゴム製作前編
【簡単ホエイル講座#8】減衰ゴムの開口部を解説。綺麗に改造する時に知るべきNG行動を把握して精度の高い加工を目指す! 減衰ゴム製作後編
【簡単ホエイル講座#9】おじゃ式フレキシブルの仕上げ作業。今まで加工してきたパーツの組みつけ手順をご紹介! 組みつけ編
【簡単ホエイル講座#10】前回(#9)の動画でカットしてしまった「スプリングの加工」を解説させていただきます。組み付け回の補足編
【簡単ホエイル講座#11】カウンターギヤと受けの間を詰めて、トルクフルな駆動に改造する! センターシャーシ駆動出し編
【簡単ホエイル講座#12】調整は難しいけど効果絶大!カウンターギヤとスパーギヤの位置出し改造をマスターして高い駆動効率を手に入れろ!